防振技術
加振源となる機器や加振外力を受ける床、基礎構造などを弾性支持し、
周囲への伝達加振力を低減することで
発生振動(及び振動に伴う固体音)を抑制する技術

防振対象例

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建築設備
(居住環境をコントロールするための電気、空調、衛生設備) -
産業機械
(工業製品の製造・試験、材料や廃材処理など、様々な目的・用途に用いられる機械) -
マンションやフィットネスジムなどの床構造
(飛び跳ねや歩行などに起因する下階への固体音影響)
防振理論
防振装置の伝達率は下式により求められます。

防振装置によく使用される弾性体について伝達率τをグラフ化した例が下図となります。
τ<1となる周波数帯において防振効果が得られます。


金属コイルスプリングに生じるサージング現象とその対策について
コイルスプリングは優れた防振部材ですが、そのまま使用すると「サージング」と呼ばれる共振現象を発生し防振性能が劣化します。
「サージング」とは、コイルスプリングに衝撃波や繰り返し荷重が加わった時に、自身が有する固有振動成分(及び整数倍成分)が大きく励起する現象をいいます。その周波数はコイルスプリング仕様(形状寸法、材料特性)に依存し、概ね100Hz以上の周波数帯に現れます。
上図では100Hz以上の周波数帯において、空気バネよりもコイルスプリングの方が防振性能が高くなっていますが、サージング未対策の場合、実際には空気バネよりも防振性能が劣る周波数成分が複数現れます。
これを防止するため、コイルスプリングに減衰を付加する「サージレス対策」が施され、この技術により空気バネと同等の高性能防振を実現しています。