2000kN万能試験機の防振対策事例
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- 万能試験機の稼働に伴う、近隣民家等への有感振動対策
- 某試験室に設置されていた2000kN万能試験機の稼働に伴い、近隣民家等に最大振動レベル79dBに達する有感振動が発生していた。試験機本体をスプリング式防振装置で支持した結果、振動レベルは55dBにまで低減し、有感振動障害は解消した。
対策のポイント:高性能スプリングを適用したことにより、想定以上の防振効果
非常に大きな加振力を有する万能試験機であるが、高性能スプリングを適用したことにより、想定以上の防振効果を得ることができた。
原因:万能試験機の稼働に伴い、近隣民家等で有感振動障害が発生
某試験室に設置されていた2000kN万能試験機の稼働に伴い、近隣民家等(図1)で有感振動障害が発生していた。試験機脚部には防振ゴムが装着されていたが、防振性能は十分でなく更なる性能が必要な状況であった。
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図1:試験室と近隣民家との位置関係
調査:計測によって障害状況の確認と必要な改善量を検討
障害状況の確認と必要な改善量を検討するために事前の調査測定を行った。近隣民家門前で計測した振動レベルは図2のように「不快であると感じ始める」VL-60を遙かに上回るVL-79であった。これは当初から装着されていた防振ゴムの性能が不十分なために試験機振動が建物床から地盤へ伝搬していることが原因であると考えられた。この民家での体感振動を少なくともVL-60以内に収めることを目標とし、高性能のスプリング防振装置が必要であると提案した。
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図2:対策前の民家等振動レベル
対策:防振装置は高性能スプリング式を使用
試験機の重心が高いことによって防振性能が劣化しないよう、この点についても十分配慮した上で高性能スプリング式防振装置を設計した。(図3は試験機用防振装置の参考写真)
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図3:試験機用スプリング式防振装置
効果:目標値をクリアし、振動障害を解消
図4に近隣民家の対策前後振動比較グラフを示す。本件の防振対策によりVL-79であった振動レベルはVL-55にまで低減しており、当初の目標を更に下回る対策効果が得られた。
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図4:対策前後の民家振動レベル比較
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図5:対策前後の民家前振動波形