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水冷チラーの空気ばねによる防振対策事例 (商業ビルレストランにおける固体音障害)

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水冷モジュールチラーの振動が原因で直下のレストラン及び直上の客室でも固体音が発生
水冷モジュールチラーの振動が原因で直下のレストラン及び直上の客室でも固体音が発生。チラー本体には他社の高性能タイプの防振架台が入っていたが設置方法に不備があったことと、冷水配管やポンプ側の配管支持部は未防振であったため、本体に空気ばね、各配管支持部にMCV型スプリング防振ユニットを提案した。当初NC50を超えていた直下の騒音はNC35を満足する結果となった。

対策のポイント:水冷モジュールチラーは騒音が知覚されやすい

水冷モジュールチラーは旧型の冷凍機の更新機器としてメーカーが小型で静穏であることをうたって納入される現場が多いが、比較的容量の大きいコンプレッサーを持つため、発生振動(騒音)が小さいとは言えない機種が多い。また、インバーター制御により周波数の高低やレベルが変動し、複数台運転でうなりを伴うこともあるため、騒音が知覚されやすい機種である。

原因・経緯:水冷モジュールチラー稼動時に、直下レストランで騒音、振動が発生

5階機械室設置水冷モジュールチラー稼動時に、直下レストランで騒音(振動)影響が大きくなり、主に250Hz帯成分の固体音によりNC50を超えていた。当初は他社の低性能タイプの防振架台が設置されていたが、吸振体の上下カップの接触による防振効果の低下に加え、更新前の冷凍機基礎の転用で、基礎のない箇所の下部架台下に嵩上げの鋼材ベースがあり、ライナーによる点支持で一種の設置共振も起こしていた。
そこで、配管支持部の対策と併せてチラー本体について鋼材支持方法の改善とサージレスの高性能タイプ防振を提案したが、防振装置メーカーとチラーメーカー任せの対策が講じられ、”サージレスではない”高性能タイプの防振装置に変更され、また上下カップの接触も完全には改善されておらず、下部架台下の鋼材支持や配管支持部は未対策であったため、直下での騒音が改善されなかった。
その後再調査を要請されたため、上記の不具合と配管支持部の未防振部分について、徹底的な改善の必要性をご説明し実際に対策を実施、その結果、三年越しの解決に至った。
図1に水冷モジュールチラーと直下レストランの位置間係を示す。

  • 図1:5階機械室と3階中華レストランの位置関係 (断面図)
    ※4階は存在しない

対策:空気ばね、スプリング防振、配管支持部の振動絶縁改善

調査結果に基づき、水冷モジュールチラー本体に空気ばね防振、チラー廻りの配管支持部はMCVによるスプリング防振、冷水ポンプ廻り配管支持部の振動絶縁対策が行われた。

  • 対策前の状況① (本体 ※スプリング防振)

  • 対策前の状況② (配管支持材)

  • 諸対策の実施状況① (本体の空気ばね防振)

  • 諸対策の実施状況② (配管支持材の振動絶縁)

効果:店舗・レストランとして十分なNC35を満足

諸対策の結果、店舗・レストランとして十分なNC35を満足することができた。
図2にレストランにおける対策前後の騒音データを示す。
対策前には直下レストランで多数の音だまりがあり、1台ずつ順次運転すると明確に運転台数が分かったが、対策後は音だまりもなく運転状況もほとんど分からない程度まで改善した。

  • 図2:対策前後の騒音

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