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天吊りFCU(ファンコイルユニット)の防振対策

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階下天吊りFCUの運転に伴い、役員室の机上に置かれた湯飲みの水面が揺れる振動障害への対策
階下天吊りFCUの運転に伴い、役員室の机上に置かれた湯飲みの水面が揺れる振動障害が発生していた。この障害に対し既存ゴムハンガーからより性能が高いスプリングハンガーに交換する対策が行われ、結果、湯飲みの波紋は解消した。

対策のポイント:体感上は問題無いが、「湯飲みの波紋」という視覚上不快感を与える振動障害

問題とされていた机上振動の大きさは体感できるギリギリのレベルではあったが、座られている役員が置かれた湯飲みの波紋を不快に感じられていた。対策は既存ゴムハンガーをHSS型スプリングハンガーに交換するという内容で、この結果湯飲みの波紋は明らかに小さくなり本障害は解消した。

原因:FCU運転時の加振成分に対する防振性能不足(ゴムハンガー)

対策前のFCUに対する防振材としてはゴムハンガーが用いられていた。FCU運転時の机上振動は18Hz成分が卓越し、振動レベルはVL-55と「ようやく感じられる」程度の大きさであった。振動自体は大きくはないが、湯飲みに生じている波紋に不快感を感じられていること、FCU運転時のピーク成分18Hzがゴムハンガーでは十分低減できていないこと等から何らかの対策が必要な状況であった。本件では湯飲みの波紋が問題とされていたが、机は図2のように堅固で重量のあるタイプであり、現れている振動もそう大きいものではないことから、対策効果がどこまで得られるかは想定が難しい状況であった。

  • 図1:FCU運転時の机上振動加速度スペクトル

  • 図2:障害が発生していた役員室机

対策:ゴムハンガーより振動絶縁性能が高いHSS型スプリングハンガーでFCUを支持

湯飲みの波紋を小さくするために、どの程度まで机上振動を低減させる必要があるのか、予測が難しいことではあったが、まず現状のゴムハンガー(図3)よりも振動絶縁性能が高いHSS型スプリングハンガー(図4)でFCUを支持する対策を提案し、これが実施された。

  • 図3:対策前のゴムハンガー

  • 図4:対策後のHSS型スプリングハンガー

効果:問題となっていた湯飲みの波紋は殆ど無くなり、良好な対策結果に

この対策により、役員室机上での障害成分20Hz帯(1/3オクターブバンド)の振動は図5のように10dB近く低減した。机上の振動レベルも対策前のVL-55から対策後はVL-47まで低減。そして、問題となっていた湯飲みの波紋は殆ど無くなり、良好な対策結果となった。

  • 図5:対策前後の机上振動比較(VL曲線)

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