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ブリッジ(ビルの渡り廊下)の振動・制振対策

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ブリッジ(ビルの渡り廊下)における歩行振動対策として制振装置(TMD)を設置
新棟と既存棟を結ぶ6径間90mに及ぶブリッジに対し、歩行振動の抑制を目的として制振装置(TMD)が設置された。多数の固有値ピークが現れていたが、TMDの最適調整により歩行時振動及びその持続時間が大幅に低減した。

対策のポイント:複数の卓越成分に対し、実用上の影響度を考慮して対象周波数を選定

連続する他径間との関係で固有値に起因するピーク成分が多数現れていた。歩行測定の結果、通常歩行時は過度に問題となるレベルでは無かったことより、共振時(固有値と歩行ピッチ周波数の一致)の振動変位が最も懸念される3.1Hzの卓越成分を対象としてTMD調整を実施した(3.1Hz成分は複数ピークの内で最大レベルを示す)。TMD対策は2径間において実施され、結果、歩行時の応答振動を大きく低減することができた。

  • 図1:ブリッジTMD配置(平面図)

  • 図2:ブリッジTMD配置(側面図)

対策:最大ピークである3.1Hz成分に合わせて調整

他径間の影響や片持ち構造の二次モードなど、ブリッジには3.10、5.25、6.55Hz等、複数の固有値ピークが現れていたが、実用上の影響度を考慮し、TMDは3.1Hz成分に合わせて調整を行った。

  • 図3:ブリッジ全体

  • 図4:ブリッジ床下に設置されたTMD

  • 図5:かかと加振時の振動加速度スペクトル

効果:TMDの制振効果により、歩行時の床振動レベル、及び減衰特性を改善

共振歩行時(3.1Hzに合わせたピッチ歩行)の周波数分析グラフを図6に、かかと加振時の減衰波形を図7に示す。それぞれTMD-OFF、ONの比較を行った結果である。
図6より、共振歩行時の振動加速度レベル(3.15Hz帯、1/3オクターブバンド)は約1/2に低減していることがわかる。(参考として行った居住性能評価(V値)では、OFF時:「V90を大きくオーバーするレベル」、から、ON時:「およそV90レベル」へと改善)
図7からは振動収束の時間が大幅に短縮されていることが一目瞭然である。減衰比としてはOFF時:0.4%からON時:1.9%へと5倍近く向上した。

  • 図6:2名共振歩行時(3.1Hzに合わせた歩行)のTMD-OFF、ON時比較

  • 図7:かかと加振時の時間波形

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