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精密装置に対するパッシブ・アクティブ除振対策例

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パッシブ・アクティブ除振性能比較
半導体製造などに代表される微細加工(及び検査、分析)プロセスでは静寂な振動環境が必要とされる。このためプロセス内で使用される製造装置や検査装置には設置床の振動条件(許容値)が設定されていることが多く、これを超える振動環境の場合、個々の装置に対して除振対策が必ず必要となる。本事例では、実際の工場において測定したパッシブ、アクティブ除振台(空気ばね)のデータ例、及び両者の性能比較について紹介する。

空気ばね除振システムとパッシブ・アクティブ除振方式

除振対策では、対象装置を弾性体で支持し、設置床から装置上へと伝わる振動を低減する(図1)。弾性体の種類や特性によって基本的な除振性能が決まり、柔らかいほど高性能化を図ることができる。除振対象が精密装置の場合、弾性体として空気ばねを用いることが多いが、その理由として、・補助タンク付加などにより固有振動数を低く設計することができる(=除振性能が高い)、・偏荷重への対応、水準調整が可能(支持点ごとに浮上レベルを調整)、・空気流路に設けた絞り(オリフィス)によって減衰調整が可能、といった点が挙げられる。このように弾性体のばね特性を利用した除振方式を【パッシブ除振】と呼ぶが、さらに能動的な制御システム(フィードバック、フィードフォワード用加速度センサー、位置制御用変位センサー、アクチュエータ、コントローラ)を付加した除振方式を【アクティブ除振】と呼ぶ。パッシブ除振の場合、ばね特性に伴う振動増幅域(固有振動数)が必ず存在するため、・その周波数帯では設置床よりも振動が大きくなる、・姿勢安定性が悪い(特に装置ステージ部など直接外力が加わる時の応答変位が大きい、振動収束時間が長い)、といった短所がある(図2)。アクティブ除振ではこの点が改善され、固有振動数近傍の振動増幅を抑制、除振し、また数μmオーダーの位置、姿勢制御が可能である。アクティブ除振は、より高性能な除振システムとして、また精密な姿勢制御や高スループットを要求される装置に対して適用される。



図1:除振モデル (1自由度モデル)



図2:パッシブ・アクティブ除振性能 (周波数特性) 
※1自由度モデル理論特性

実測例 (搭載装置の概要)

表1に搭載装置の概要をまとめる。パッシブ例(液晶用リペア装置)、アクティブ例(走査型電子顕微鏡(SEM))、それぞれ装置重量やサイズは異なるが、両者の床振動環境がほぼ同様であったこの2ケースについて比較を行った。(※図3、4:床振動データ参照、ともに中間階設置)

  • 表1:搭載装置の概要

実測結果 (トリパタイトグラフにおける振動比較)

図3、4に、鉛直方向の床振動データ(赤線)と除振台上データ(青線)を示す。パッシブ例(図3)、アクティブ例(図4)ともに良好な除振性能を発揮しているが、左のパッシブ除振例では、丸で囲む4Hz以下の周波数帯において床よりも除振台上の方が振動が大きくなっていることがわかる。この部分がパッシブ除振台のばね特性に伴う増幅部に当たり、VCによる振動環境評価では(※VC評価:用語集を参照)、アクティブ除振時はVC-Fクラスを達成できているのに対し、パッシブ除振時は増幅部の存在によってVC-Cクラスにとどまっている。

  • 図3:実測データ [トリパタイトグラフ、VC評価]
    パッシブ除振例

  • 図4:実測データ [トリパタイトグラフ、VC評価]
    アクティブ除振例

実測結果 (伝達特性による除振性能比較)

図5、6に床と除振台上の伝達特性を示す。図5、6は床と除振台上の振動レベル比(除振性能)を表す。0dBのレベルが床と除振台上の振動が同じ(1:1)であることを意味し、これを下回るほど除振されているということになる(逆に0dBを上回っていると、床よりも除振台上の方が振動は大きいことになる)。左のパッシブ除振例(図5)では丸で囲む2.5Hzにピーク部が見られるが、これが固有振動数であり、この近傍域において振動増幅していることがわかる。一方、右のアクティブ除振例(図6)では増幅部は無く、100Hz以下の全周波数域において除振できていることがわかる。

  • 図5:実測データ [床と除振台上の伝達特性]
    パッシブ除振例

  • 図6:実測データ [床と除振台上の伝達特性]
    アクティブ除振例

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