大口径竪(たて)配管の振動絶縁による騒音対策事例
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- 冷却水用竪配管シャフト近傍の固体音対策
- 750Aの冷却水用竪配管シャフト近傍で固体音が発生していたが、既存の振れ止めを振動絶縁効果の高い振れ止めに交換することにより、NC-45~55であった騒音値はNC-25~30と大きく低減し、騒音障害は解消した。

対策のポイント
常時非接触型の振れ止めを採用したことにより、大きな振動低減効果が得られている。
原因:振れ止め部から躯体に伝搬した振動に起因する固体音障害
750A冷却水用竪配管の中間階振れ止め部近傍で騒音が発生しており調査を行った結果、振れ止め部から躯体に伝搬した振動に起因する固体音障害であることが判明した。既設の振れ止めは図1のようにゴムパッドを挟んで鋼板で締め付けるタイプで、配管と鋼材枠が接触し振動を伝えていた。
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図1:配管振動が伝搬していた既設振れ止め部
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図2:振動絶縁効果の高い新設振れ止め部
対策:振れ止め部の振動絶縁方法を非接触型に変更
新たに非接触型の振れ止めを納入した。従来の振れ止めとは異なり、配管とのクリアランスを大きくして配管の振動を躯体に伝搬させないように考慮したものである。配管ガイドとして内向きに6点ゴムを配置し、配管が接触した場合の緩衝材としている(図2)。接触時のゴムのたわみ量は約1mmを想定しており、配管の過剰な変位を抑えるのに有効である。また、その振動絶縁レベルは図3橙色ラインのようにゴムパッドとスプリングパッドの中間的性能と位置づけられる。
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図3:防振材ごとの振動絶縁レベル比較
効果:問題となっていた騒音主成分を1/10以下に低減
配管から伝搬する振動の主要成分は図4のように147.5Hz(4極モータ24.5Hz×6枚羽根の脈動)のピーク成分であり、この成分が振れ止め更新対策により20dB以上(1/10以下に)低減している。
各階シャフト近傍の騒音値は、対策前はNC-45~55であったが、対策後はNC-25~30にまで低減した。
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図4:対策前後のシャフト近傍音圧スペクトル比較
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図5:シャフト近傍での騒音測定