超低振動地盤の測定
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- 地下1,000mの重力波観測施設において、超微小な地盤振動の計測を行った事例

ポイント
・地盤振動
・低振動環境
・重力波観測装置
・振動測定器MRA-06X(OSP-06、MG-102S、RS1)
概要
日本振動技術協会(JAVIT)の国内無振動地盤調査事業の一環として、岐阜県飛騨市/神岡鉱山地下1000mにある低温レーザー干渉計重力波観測装置(及び地殻歪計)(CLIO:Cryogenic Laser Interferometer observatory)の設置床振動環境を計測した。
CLIOは、2019~2020年にかけて本格観測の開始が予定されている通称KAGRA(正式名称LCGT計画、同神岡鉱山地下200m以深の基線長3kmのレーザー干渉計)のプロトタイプ施設として建設されたものである(CLIOは基線長100m)。
重力波とは、質量を持った物体が運動をした時に発生する時空ゆがみが光速で伝わっていく波動現象で、重力波の検出により一般相対性理論の検証や、種々の宇宙現象の解明が期待されている。
(当社が過去にアクティブ除振対策を行ったTAMA300(国立天文台)もこの計画の前身プロジェクトに当たる。より高感度の観測設備としてKAGRAの建設計画が始まった)
重力波検出を行うためには極めて小さい振動環境が必要であり、このような場所が建設場所として選ばれた。本事例ではこの場所において実際に計測した振動データを紹介する。
使用測定器
サーボ型加速度センサー(特許機器:MG-102s):3個
低域振動計(特許機器 :OSP-06):1台
データロガー(特許機器:RS1):1式
■サーボ式加速度センサー MG-102S主な仕様
・測定範囲:±17m/s2
・最小分解能:1×10-6m/s2
・外形寸法:40×40×55.5mm
・質量:190g
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図1:測定ダイアグラム
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図2:測定ダイアグラム画像
実測データ
下図のように100Hz以下ほぼ全域において、当社振動計測システム(MRA-06X)の下限レベルを示す超低振動の環境であることが確認された。通常、地上の地盤ではこのように全周波数に亘って超微振動環境であることは非常に稀であり、貴重な測定データとなった。
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図3:測定データ