PROJECT STORY
プロジェクトストーリー
プロジェクトストーリー01
除振装置導入
プロジェクト


かつてないスケールに挑んだ
若き社員たちの軌跡!
これまでの特許機器の歴史の中でも最大規模の大型案件。
ビッグプロジェクトを成功させるために、
営業・施工管理・技術の3人の社員たちはどのように挑んでいったのか。
SUMMARY
プロジェクトの紆余曲折図
※数字にカーソルを重ねてご覧ください。

1某メーカーから振動対策の提案依頼。数十台というかつてない規模だった。
2現場調査ができない状況から装置の仕様を模索。何度も検討を重ねる。
3提案がコンペで選ばれ、大型案件を受注!
4限られた工期の中で複数の工事が同時並行する現場。据え付け工事の施工スケジュール作成に苦労する。
5据え付け後の調整業務ではイレギュラーな事態に臨機応変に対応しながら現場をこなしていく。
6プロジェクト終了。顧客から感謝の言葉をいただくと同時に社員たちは自身の成長を実感。
1某メーカーから振動対策の提案依頼。数十台というかつてない規模だった。
2現場調査ができない状況から装置の仕様を模索。何度も検討を重ねる。
3提案がコンペで選ばれ、大型案件を受注!
4限られた工期の中で複数の工事が同時並行する現場。据え付け工事の施工スケジュール作成に苦労する。
5据え付け後の調整業務ではイレギュラーな事態に臨機応変に対応しながら現場をこなしていく。
6プロジェクト終了。顧客から感謝の言葉をいただくと同時に社員たちは自身の成長を実感
MEMBER
プロジェクトメンバー紹介
(表記の氏名は個人情報の観点から仮名としております)

沢井 健太
KENTA SAWAI
2019年入社
微振動営業部 微振動東京営業課
工学部 材料工学科

山本 雄介
YUSUKE YAMAMOTO
2023年入社
エンジニアリング部
自動二輪整備科

木原 孝一
KOUICHI KIHARA
2015年入社
ソリューション技術部 微振動ソリューション技術課
理工学部 応用化学専攻

Chapter01
前例のない
大型案件プロジェクトの始動
特許機器に一本の問い合わせが届いた。内容は、国内某所で新たに建設される工場に導入する振動対策製品についての提案依頼だった。
「最初は通例の対応案件だと思っていました。しかし詳細を確認して驚いたんです。装置の納入予定台数が数十台だったんですよ。」
と語るのは営業担当の沢井。「社の歴史の中でも前例がない」と言ってもいいほどの大規模案件だった。このメーカーは特許機器だけではなく複数の競合他社にも声をかけていた。数社によるコンペを実施し、最も優れた提案をした企業に発注するという。これは特許機器にとって自社の技術力と総合力をあわせて挑む大きな挑戦だった。
「この案件は絶対勝ち取りたい!そう思い、まずは設計担当者と提案する製品を綿密に詰めていくことにしました」
こうして動き出した大型案件プロジェクトだったが、難題が1つあった。それは「事前調査ができない」という点だ。通常であれば現場で振動測定を行い、そのデータに基づいて最適な装置を設計していく。しかし建設前の状態ではそれが叶わない。まさに手探りの状況だった。
そこで沢井は過去の納入実績や蓄積された解析データをもとに設計担当と幾度もミーティングを重ねた。先方から提示された使用環境を踏まえながら、どれくらいのスペックを装置に反映させるかを丁寧に決めていった。
「これならいける。そう思えるところまでシミュレーションを繰り返しました」
数社によるコンペではあったが、価格競争ではなく、当社の入念に研究された技術で顧客の最適解を導き出したいという強い思いが沢井を突き動かしていた。
そして、その思いは現実となる。慎重に検討された結果、最終的に選ばれたのは特許機器だった。沢井は設計担当者と喜びを分かち合った。

Chapter02
限られた工期の中で
ミッションを遂行
プロジェクトは次の段階へと移行する。装置数十台の現場搬入、据え付け。この工事の現場全体を取りまとめたのが施工管理担当の山本だった。
「今回のプロジェクトで最も大きな課題となったのは、限られた工期の中で、いろんな業者が同時に作業をするという複雑な現場を安全かつ効率的に管理することでした。これまで経験したことがないスケールだったので気を張って業務に臨みました」
と山本。彼の役割は数十台の装置を現場に搬入し、協力会社の作業スタッフを指揮しながら据え付け工事の管理全般を手がけることだった。工期はおよそ2ヶ月。この短期間ですべての装置を安全に設置しなければならない。
山本は営業担当の沢井と連携を取りながら詳細な工程表を作成。沢井が顧客の意向や要望を山本にフィードバックし、密な情報共有を行うことで効率的な工程スケジュールを作り上げていった。新設工場ゆえに現場には電気工事や配管工事など他の施工を行う業者も多数出入りする。そうした複雑な事情も踏まえながらイレギュラーな事態にも備えたスケジュールを組んだ。
「実際に作業がバッティングすることもあり、その場その場で話し合いながら臨機応変に対応していきました。予定が次の日にずれるといったこともありましたが、幸いなことに大きなトラブルもなく工事を終えることができたのは、事前準備とチームの力のおかげだと思います」
営業・設計・施工。各部門の垣根を越えた連携によってプロジェクトは進み、やがて最終局面を迎えた。

Chapter03
そして、すべての苦労が報われる
装置を据え付けただけではプロジェクトは完了しない。実際に工場で使用される設備と組み合わせ、現場に合わせて振動を制御する「チューニング」が必要となる。この繊細かつ重要な調整業務を担ったのが技術担当の木原だった。
「数十台を一度に調整することはできないので、何度かに分けて現地入りするようにしました」
という木原の言葉が物語るのは膨大な作業量だ。調整業務は決してスムーズに進んだわけではない。
除振装置を動かすためには電源と圧縮空気が必須になる。
いざ現場に入ってみると、その日に調整を行う予定の装置に使用する圧縮空気の準備が間に合っていなかったのだ。「調整日を遅らせるわけにはいかない。」焦りと緊張が走った。通常、メーカーとやり取りをしている営業が不在の中での出来事だった。
木原は、いままでの現場での経験を活かし現場の状況を冷静に分析した。既に調整済みの装置の確認が出来ていたことから、その圧縮空気を分岐させ調整を行うことを提案した。メーカーへも自ら説明・交渉し、予定日に遅延することなく調整を完了することが出来た。
山本が施工管理で示したように、現場の状況に臨機応変に対応する柔軟性は特許機器の大きな武器と言えるだろう。木原の奮闘が実を結び、すべての調整業務が終わった。
数十台の装置が問題なく引き渡された瞬間、顧客からかけられた「無事に終わってよかったです。ありがとうございました」という言葉に木原は胸が熱くなったという。それは木原だけではなく、沢井や山本たちプロジェクトに関わった者すべての苦労が報われた瞬間だった。

Chapter04
日本のものづくりを支える
チャレンジ精神
今回の大型案件プロジェクトは営業の沢井、施工管理の山本、そして技術の木原それぞれのキャリアにおいて、未知の業務への挑戦が多くを占めた。しかしその困難を乗り越えたからこそ、彼らはこの経験が自身の大きな成長につながったと感じている。
「過去最大規模の受注に対する責任感とプレッシャーは決して小さいものではありませんでした。それを乗り越えることで次の大型案件にも自信を持って臨めると思います」
営業担当の沢井は未来を見据え、力強くそう語る。
「常に変化への対応が求められる現場だったので“何を優先すべきか”“解決のための最適な手段は何か”といったことが問われ続けました。そのため判断力と決断力が磨かれたと思います。これは今後にも活かしていけるはずです」
施工管理の山本は現場で培ったスキルが今後のキャリアを切り開く確かな武器になったことを実感していた。
「お客様と直接やりとりをするシーンも多々あったので、コミュニケーションの大切さを痛感する現場でした。コミュニケーションスキルが向上したと思います」
技術担当の木原は技術力だけでなく、人とのつながりの中で成長できた喜びを語った。
すでにこの新工場では試作ラインが稼働を開始し、本格的な生産体制は着々と整えられた。特許機器の若き社員たちのチャレンジ精神が、日本のものづくりを支えているのである。
